うさぎにおけるプロバイオティクスの使用
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うさぎにプロバイオティクスを与える際には、それらのペーストあるいはパウダーに含まれる細菌が、うさぎの腸内環境に適応できるかを確認しましょう。多くのプロバイオティクス製品には、以下のような細菌が含まれています。
上記の4菌種は通常、うさぎの消化管内には存在しません。健康なうさぎの消化管内に存在しないということは、それらの菌が生存するのにはうさぎの消化管は適していないということであり、仮に与えたところで効果は疑問であると言えます。 参考文献: 他にもいくつかの疑問点があります。 1. 強酸性であるうさぎの胃内を通過しても、菌が生存していられるのか? 参考文献: 2.
仮に胃を通過できたとしても、盲腸内の嫌気環境で菌は生存できるのか? 参考文献: Jilge B, Meyer
H. Coprophagy-dependant changes of the anaerobic
bacterial flora in stomach and small intestine of the rabbit. Z Versuchstierkd. 1975;17(5-6):308-14. 3. 市販されている様々なプロバイオティクス製品について、馬で試験が行われました。どの菌も腸まで到達することはなく、ラベルに記載されているよりもはるかに少ない菌数しかチューブには入っていなかったと著者らは述べています。 参考文献: Weese JS.
Microbiologic evaluation of commercial probiotics. J Am Vet
Med Assoc. 2002; 220(6):794-7. 「目的:市販の人用および動物用プロバイオティクス製品の内容を評価すること。研究デザイン:微生物培養アッセイ。サンプル内訳:動物用8製品と、人用5製品。方法:定量的細菌培養を全ての製品で実施した。単離された菌は生化学的特性により同定を行った。実際の内容と、ラベル記載情報とを比較した。結果:13製品のうち、ラベル記載の菌数が含まれていたのはたった2製品であった。5つの動物用製品には詳細な内容の記載が無かった。大部分の製品には活性のある細菌が、低い濃度でしか入っていなかった。5製品では1つないし複数の菌が記載通り含まれていなかった。3製品には記載のない菌が含まれていた。一部の製品にはプロバイオティクス作用の報告のない微生物が含まれていた。こうした微生物の一部には病原性がある可能性もある。結論および臨床上の注意点:大部分の市販されている動物用プロバイオティクス製品には、ラベルに記載されている通りの内容物が含まれてはいなかった。市販の動物用プロバイオティクス製品の品質管理は粗悪であるように見える。」 4.
代替法として食餌に、他の健康なうさぎの盲腸内容物を混ぜることが考えられます。ここでも、盲腸糞の被膜が破れることで胃内を通過する際に細菌群が死滅してしまう可能性が高いでしょう。健康そうに見えるうさぎから、状態の悪いうさぎへ、寄生虫や感染症が移行してしまう可能性も無視できません。 5. プロバイオティクス製品には有害作用はなく、時には有効なように見えることから、病気のうさぎにたいしてルーチンで与えても良いでしょう。 参考文献:
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