歯の形成異常:うさぎの偽歯牙腫

(Dental dysplasia: pseudo-odontoma (elodontoma) in rabbits)

 

Esther van Praag, Ph.D. translated by Dr. A. Fukuda

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偽歯牙腫のような良性腫瘍の成長が、うさぎでは稀に見られます。これは歯髄や間葉細胞、エナメル質、象牙質、セメント質といった、歯の組織が持続的に、上顎切歯や臼歯の歯根周囲に蓄積されて生じる、異形成疾患です。異形成は通常、両側性に起こります。

病因

偽歯牙腫の発生機序はよく分かっていません。加齢に関係していると思われますが、むしろうさぎの歯の歯根レベルにおける炎症機転や、骨粗しょう症に関係しているようです。切歯根が罹患する場合、例えばケージの柵をかじるなどして、外傷を受けることが関係しているようです。げっ歯類で見られるその他の要因として、ウイルス感染や、食餌中の栄養素・ビタミン欠乏があります。実際、ビタミンA欠乏食を給餌されたラットで、偽歯牙腫が見られました。

臨床症状と診断

初期には無症状で、罹患歯の外観上も変化がありません。そのため、頭部レントゲンを撮影して初めて見つかります。後期になると、歯の萠出が損なわれ、歯髄腔の変質が起こります。

咀嚼が困難になります。さらなる臨床症状として、食欲不振、嚥下困難、胃腸障害、呼吸困難からくる運動不耐性が見られます。

上顎切歯・臼歯根の変性と、上顎骨の変形によって、鼻涙管が圧迫され、涙が溢れるようになります(流涙症)。二次的な上部呼吸器障害は、占拠性病変が鼻腔や気道に侵入しない限りは、あまり見られません。空気の通貨がより障害されると、呼吸の短縮、吸気時の発作様呼吸(逆くしゃみ)が特徴的に見られます。

レントゲンとCTスキャンが確定診断の一助になります。

Dr. Gil Stanzione

Dorso-ventral and left lateral radiographs of a rabbit with a white maxillary opaque mass, possibly pseudo-odontoma (red arrows) pressing on the nasal cavity and airways. Note: the nasolachrymal ducts on the lateral view (green arrow).

治療

問題の根治は困難です。初期であれば、罹患した歯の抜歯を試みることになるでしょう。

ラットではビタミンA欠乏が偽歯牙腫と関連していることから、初期であれば食餌の適正化(ビタミンAが豊富な新鮮な食餌を与える)を試みます。過剰症は避けねばなりません。問題をさらに悪化させてしまいます。

偽歯牙腫は進行性の疾患であり、周囲組織を侵していきます。そのため、予後は要警戒です。

Acknowledgements

Thank you to Tal Saarony (USA) and to Dr. Gil Stanzione (Dakota Veterinary Clinic, White Plains, NY, US) for

the permission to use these pictures.

References

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