うさぎの歯の解剖学

(Anatomy of rabbit teeth)

 

Dale Kressin, DVM, FAVD, Dipl. AVDC - translated by Atsushi Fukuda, DVM.

 

Animal Dentistry & Oral Surgery Specialists LLC

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Dale Kressin DVM, FAVD, Dipl. AVDC & Steve Honzelka DVM, Resident   888-598-6684

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With the gracious permission of Dr. D. Kressin to reproduce in MediRabbit.com

 

 

うさぎの切歯と臼歯は、無根歯・長冠歯と呼ばれています(歯冠が長く、エナメル質が歯肉縁を超えて存在しています)。常生歯とも呼ばれます。これらの歯は継続的に伸び続けます。高繊維の食餌を咀嚼することで、伸びた歯は摩耗し、バランスがとれています。

切歯

切歯の解剖学に精通していることは、獣医師が切歯抜歯を検討する際に重要になってきます。上顎切歯は左右ともにペアになっています。吻側の切歯(大切歯)は、尾側の切歯(小切歯)よりも大きいです。大切歯は半円の弧を描いています。大切歯の前面には深い発育溝があります。小切歯は大切歯と比べて湾曲が弱く、長さもおよそ半分しかありません。下顎切歯は上顎大切歯よりも長く、湾曲は弱いです。下顎切歯の根尖は第一前臼歯の舌側に起始しています。  

上顎切歯を下から見たところ。

のみ状の咬合を側面から見たところ。

上下切歯を吻側から見たところ。

上下切歯を下から見たところ。

臼歯の解剖学について説明する理由

臼歯の解剖学を理解することが、咬み合わせの調整を効果的に行うためには必須だと考えています。正常解剖学を理解することで、獣医師はほぼ正常に近い歯の湾曲を保って、咬み合わせの調整が行えるでしょう。

うさぎの歯は異形歯かつ二生歯である

異形歯とは単純に、同じタイプの歯だけからなる同形歯との対比から、そう呼ばれています。うさぎには切歯と臼歯とがあります。臼歯には前臼歯と後臼歯とがあります。うさぎには、犬や猫、フェレット、ハリネズミにあるような犬歯がありません。うさぎは乳歯と永久歯がある二生歯性の動物です。

上顎臼歯の位置。

下顎臼歯の位置。

臼歯の頬側観。深い成長溝が、下顎臼歯の頬側面の特徴です。術者が下顎臼歯の抜歯を行う際に重要になってきます。

下顎臼歯の舌側観。舌側面の成長溝は、頬側面と比べて浅くなっています。

上下臼歯の咬み合わせを示した側面像です。上下の顎の幅が異なっていることに、ご注目下さい。

上下顎幅が異なることを示す、別角度からの像。

歯式

2(i2/1 c0/0 m3/2)= 16 乳歯

2(I2/1 C0/0 P3/2 M3/3)= 28 永久歯

臼歯の咬合

臼歯の咬み合わせを見たときに、明らかに上下顎幅が異なっています。上顎と下顎の関係は非対称です。下顎の前臼歯と後臼歯とがなす歯列弓は直線状です。上顎の前臼歯がなす歯列弓は外側へ凸状にカーブを描いています。垂直面から見て、下顎臼歯は頬側に凸に湾曲し、上顎臼歯は舌と口蓋に対して凸に湾曲しています。

上下顎は非対称です。下顎の歯列弓は、上顎の歯列弓と比べて、わずかに舌側に位置しています。下顎臼歯の頬側縁は、対応する上顎臼歯の口蓋側と接触しています。

うさぎの臼歯の摩耗

うさぎの歯は伸び続けるので、摩耗していくことが口腔の健康のためには不可欠です。下顎臼歯の頬側は、舌側よりも早く摩耗します。上顎臼歯の口蓋-舌側は、頬側よりも早く摩耗します。上下顎の非対称性が、咬み合わせ摩耗パターンと、咬合面の形成の要因となっています。

上顎臼歯は正常で頬側が長く、口蓋-舌側が短いことを、獣医師は知っていなければなりません。下顎臼歯は正常で、頬側が短く、舌側が長くなっています。水平面からおよそ15度の角度で上下臼歯は接し、咬合面を形成しています。咬合の調整は、この咬合面をできるだけ正確に再現するように行います。上顎歯列弓の吻側と尾側部分では摩耗が比較的少なく、中央部分ではより多く摩耗します。下顎歯列弓は上顎歯の摩耗に合致しています。

臼歯の形状

咬合面

臼歯の歯尖面には、エナメル質によるひだ・突起部があります。谷間は象牙質とセメント質とでできています。

うさぎの下顎の咬合面の形状は、ほぼ正方形をしています。頬側から舌側の長さは、近位から遠位の長さと近似しています。上顎臼歯の咬合面付近の形状は、やや長方形をしています。頬側から口蓋-舌側の長さは、近位から遠位の長さよりも、長くなっています。

-口蓋側と頬側の外観

下顎臼歯を側面から見ると、溝があります。下顎臼歯の頬側面には深い長軸方向の溝があり、舌側面長軸方向の溝はより狭くなっています。これらの溝は、下顎臼歯の遠位3分の1に形成されています。上顎臼歯にも長軸方向に溝がありますが、上顎切歯の半ばまでしか達しておらず、下顎臼歯の溝よりもいくらか狭くなっています。上顎歯列弓においては、第一前臼歯と第三後臼歯には溝がありません。下顎においては、第三後臼歯には溝がありませんが、第一前臼歯には頬側に二本と舌側に一本の溝があります。

臼歯の根尖側

下顎臼歯尖は下顎の腹-舌側へ向かって広がっています。上顎臼歯は上顎の頬側へ向かって収束しています。

下顎臼歯根尖が扇状に広がっていることを示すデジタルレントゲン画像。

このデジタルレントゲン像では、上顎臼歯根尖は比較的収束するように位置しているのが見えます。

 

 

 

 

 

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