うさぎの歯の解剖学
(Anatomy of rabbit teeth)
Dale Kressin, DVM,
FAVD, Dipl. AVDC - translated by Atsushi Fukuda, DVM.
Animal Dentistry & Oral
Surgery Specialists LLC Caring: Cat dentist-Dog dentist
Vet dental and oral surgery services Dale Kressin DVM, FAVD, Dipl.
AVDC & Steve Honzelka DVM, Resident 888-598-6684 Oshkosh Milwaukee Waukesha Minneapolis
and St Paul Metropolitan areas |
With the
gracious permission of Dr. D. Kressin to reproduce in
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うさぎの切歯と臼歯は、無根歯・長冠歯と呼ばれています(歯冠が長く、エナメル質が歯肉縁を超えて存在しています)。常生歯とも呼ばれます。これらの歯は継続的に伸び続けます。高繊維の食餌を咀嚼することで、伸びた歯は摩耗し、バランスがとれています。 切歯 切歯の解剖学に精通していることは、獣医師が切歯抜歯を検討する際に重要になってきます。上顎切歯は左右ともにペアになっています。吻側の切歯(大切歯)は、尾側の切歯(小切歯)よりも大きいです。大切歯は半円の弧を描いています。大切歯の前面には深い発育溝があります。小切歯は大切歯と比べて湾曲が弱く、長さもおよそ半分しかありません。下顎切歯は上顎大切歯よりも長く、湾曲は弱いです。下顎切歯の根尖は第一前臼歯の舌側に起始しています。
臼歯の解剖学について説明する理由
臼歯の解剖学を理解することが、咬み合わせの調整を効果的に行うためには必須だと考えています。正常解剖学を理解することで、獣医師はほぼ正常に近い歯の湾曲を保って、咬み合わせの調整が行えるでしょう。 うさぎの歯は異形歯かつ二生歯である 異形歯とは単純に、同じタイプの歯だけからなる同形歯との対比から、そう呼ばれています。うさぎには切歯と臼歯とがあります。臼歯には前臼歯と後臼歯とがあります。うさぎには、犬や猫、フェレット、ハリネズミにあるような犬歯がありません。うさぎは乳歯と永久歯がある二生歯性の動物です。
歯式
2(i2/1 c0/0 m3/2)= 16
乳歯 2(I2/1 C0/0 P3/2 M3/3)= 28 永久歯 臼歯の咬合 臼歯の咬み合わせを見たときに、明らかに上下顎幅が異なっています。上顎と下顎の関係は非対称です。下顎の前臼歯と後臼歯とがなす歯列弓は直線状です。上顎の前臼歯がなす歯列弓は外側へ凸状にカーブを描いています。垂直面から見て、下顎臼歯は頬側に凸に湾曲し、上顎臼歯は舌と口蓋に対して凸に湾曲しています。 上下顎は非対称です。下顎の歯列弓は、上顎の歯列弓と比べて、わずかに舌側に位置しています。下顎臼歯の頬側縁は、対応する上顎臼歯の口蓋側と接触しています。 うさぎの臼歯の摩耗 うさぎの歯は伸び続けるので、摩耗していくことが口腔の健康のためには不可欠です。下顎臼歯の頬側は、舌側よりも早く摩耗します。上顎臼歯の口蓋-舌側は、頬側よりも早く摩耗します。上下顎の非対称性が、咬み合わせ摩耗パターンと、咬合面の形成の要因となっています。
上顎臼歯は正常で頬側が長く、口蓋-舌側が短いことを、獣医師は知っていなければなりません。下顎臼歯は正常で、頬側が短く、舌側が長くなっています。水平面からおよそ15度の角度で上下臼歯は接し、咬合面を形成しています。咬合の調整は、この咬合面をできるだけ正確に再現するように行います。上顎歯列弓の吻側と尾側部分では摩耗が比較的少なく、中央部分ではより多く摩耗します。下顎歯列弓は上顎歯の摩耗に合致しています。 臼歯の形状
咬合面 臼歯の歯尖面には、エナメル質によるひだ・突起部があります。谷間は象牙質とセメント質とでできています。 うさぎの下顎の咬合面の形状は、ほぼ正方形をしています。頬側から舌側の長さは、近位から遠位の長さと近似しています。上顎臼歯の咬合面付近の形状は、やや長方形をしています。頬側から口蓋-舌側の長さは、近位から遠位の長さよりも、長くなっています。 舌-口蓋側と頬側の外観 下顎臼歯を側面から見ると、溝があります。下顎臼歯の頬側面には深い長軸方向の溝があり、舌側面長軸方向の溝はより狭くなっています。これらの溝は、下顎臼歯の遠位3分の1に形成されています。上顎臼歯にも長軸方向に溝がありますが、上顎切歯の半ばまでしか達しておらず、下顎臼歯の溝よりもいくらか狭くなっています。上顎歯列弓においては、第一前臼歯と第三後臼歯には溝がありません。下顎においては、第三後臼歯には溝がありませんが、第一前臼歯には頬側に二本と舌側に一本の溝があります。 臼歯の根尖側
下顎臼歯尖は下顎の腹-舌側へ向かって広がっています。上顎臼歯は上顎の頬側へ向かって収束しています。
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