呼吸困難と子宮・肺・リンパ節にマスの見られたDyziaの一例

 

Dr. Magdalena Stasiowska - Przychodnia Weterynaryjna – Wrocław, Poland

Translated by Atsushi Fukuda, DVM, Japan

ポーランド、ブロツラフ、獣医クリニック

警告: このページには一部の方に不快と思われる画像が含まれています。

Dyzia8歳のメスうさぎでした。呼吸困難を主訴に受診し、聴診では両側の肺で喘鳴音(粗い振動音)が聴取されました。数回の抗菌薬注射を行っても改善が見られませんでした。そこで12回のステロイド投薬が行われましたが、やはり治療には反応しませんでした。腹部に触知可能なマスがあり、私たちは手術を行うことにしました。マスは子宮にありましたが、複数の結節性病変が腹腔内および肝臓に播種していたため、子宮を切除しても改善は期待できませんでした。人道的に安楽死処置が行われ、死後剖検を実施しました。

胸郭を開くと、浸潤性の高い複数の結節性病変が両肺に見つかりました。これだけ病気が進行していても生きて、呼吸出来ていたことが信じられません。病変部についてはそれ以上の検索を行いませんでした。.

肺のマスはおそらく、子宮角に出来たマスから転移したものでしょう。「可能性が一番高いのは子宮腺癌でしょう。高齢メスうさぎでは非常によく見られる癌です。実際に、この症例の所見はうさぎの子宮癌の非常に典型的なものです。」とDr. Stephen W. Bartholdがおっしゃっていました。

触知可能なマスが片側の子宮角(矢印)にありました。

肺のマス

壁側胸膜にもマスが見つかりました(矢印)

肝臓にもマスが見つかりました(矢印)

腹腔内にも結節性病変が見つかり、おそらくリンパ節と考えられました。

うさぎの子宮腺癌に関する経験談を下さったStephen W. Barthold, DVM, PhD, ACVP(カリフォルニア大学デービス校、獣医学部)に深謝申し上げます。.

 

 

  

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